リップクリームの提案と「ごまたまご」の戦略

乾燥に弱い私のたらこ唇のためにリップクリームをいつも持ち歩いている。
先日、手持ちのリップクリームを使い切ったため、薬局へ買いに行った。特に銘柄にこだわりがないため、安い商品を探した。すると普段使っていた商品が「2個で◯◯円」セットで売られていた。メーカー側でパッケージしたものだった。「2個も要らねーよ、そんなにすぐなくならないしさ…。」と思って単品を探そうと視線を移そうとした時にふと気になる単語が目に入った。「2個で◯◯円」のパッケージには、リップクリームそれぞれに吹き出しが書かれ、「おうち用」「おでかけ用」と書かれてあったのだ。なるほど、上手い!短くシンプルながら素敵な提案だ。女性は言われずともそうしているかもしれないが、銘柄にこだわらない男性からすればなかなか粋ではないか。

この後、あるエピソードを思い出した。
今や東京土産として有名な銀座たまやの「ごまたまご」。
お土産なので新宿駅などでも売られているが、その試食キャンペーンの小さな戦略の話。駅を行き交う人々に試食を配布するのだが、必ず「2個ずつ」渡したという。1個が大きめなため、試食としては2個は多いだろうと思うところ。そう、1個でじゅうぶんなので、もう1個は鞄に入れるなどして持ち帰るのである。しっかりした味と量のお菓子なので、2個食べることは少ないだろう。そのため、持ち帰った1個を誰かにあげることになる。自分が食べた1個の感想を添えて…。

この「ごまたまご」の話は以前から後輩教育や飲み会での持ちネタの話にしていたのだが、リップクリームの話もまた持ちネタにしようと思っている。もし私が誰かに話した時に「あ、ネットで見ましたよ」と言われたら、このブログを読んだんだなということにしておく。