袋ラーメン

昔の漫画では、若い独り暮らしの食事シーンで、袋ラーメンを鍋ごと食べる姿をよく見たものだ。子供心に印象深かった。大人(といっても大学生くらいの年齢)の独り暮しは自由のイメージがあり憧れていたため、鍋で食べる袋ラーメンは自由を象徴する食事だと思い込んでいた。

 

ある漫画で、若く貧しい者たちが「袋ラーメンに野菜入れて食べていれば死なない」と言っていた。

 

ある商品のCMでは「季節のお野菜如何です」という歌もあった。季節の野菜とは、何ともそそる表現だ。

 

時が経ち、私もいい歳になった。袋ラーメンは、若く貧しい時代の、青春の味…となるはずだった。

ところが、私は今でも袋ラーメンが好物である。野菜を多めに入れ、卵を入れたたものはご馳走だと思う。

過去の、青春の味ではない。今もなお、青春なのだから。

袋ラーメンを食べるたびに、青春していると実感するのである。

 

いや、ウソです。