僕たちのインターネット史(2017)

 

僕たちのインターネット史

僕たちのインターネット史

 

 

ネット文化、サブカルライターとして信用しているばるぼら氏が関わった本なら読まねばいけないでしょう、ってことで。


ワイン比呂有紀の「ネットバカ一代」や、ジョン・ペリー・バーロウの「サイバースペース独立宣言」にゾクゾク来て夜な夜なネットに繋がっていた若かりし日々と今日のインターネットは最早別世界だ。しかしオープンソース思想などコンピューターサイエンス業界には今も色濃く残る分野もあるが、システムが複雑になるにつれ一般ユーザは離れていった。

今日のインターネットと言うと、新しいメディアとして独自のコンテンツを生み出していた時代は終わり(この点については"あくまでコンテンツありき"文化で、ネットでやることといえば結局コンテンツ消費だったという鋭い指摘もある。)、現実世界を拡張・または延長線上の存在となった。そしてネット上での言論は現実世界と「同じ話題」になってしまった。加えてSNSの普及から匿名掲示板での罵詈雑言があふれる事態も発生している。居酒屋の愚痴や便所の落書きのようなテキストにあふれ、よせばいいのに過剰に反応することを生きがいとするユーザーも多く、現実世界同様の問題が起こり続けている。