NHK「100分de名著」ブックス 夏目漱石 こころ

 

 

このシリーズ読みまくるぜと決めての一発目。

私が感じたのは2種の愛と死生観について。

2種の愛のうちひとつは「赤く生々しい繋がり」
己の血を相手に投げかけるような、生をぶつけるもの。

もうひとつは「純白のまま汚さずにおきたい」
神聖視に近い、大切にしたい気持ち。

相反するようで、別々の衝動ながら根は近しく、対比していいような悪いような…。


そしてやはり死について。
漱石は生に執着していると思うが、今作はとにかくみんな死ぬ。
時代が人格形成に与える影響の大きさも現代とは違うのだろうが、経験からの思いが人格を作る。それが人間の魅力にも繋がっているし、「魅力ではない特徴」にも繋がっていると思う。

メメント・モリという言葉を思い出す。